住環境シミュレーションシステム
事例のご紹介 2002年
ARIOS_1
住環境シミュレーションシステム
案件 | 住環境シミュレーションシステム |
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オーナー | 住宅メーカー |
対象業務 | 営業支援 |
システム構成 | Windows 2000、Windows XP VectorWorks (プラグイン、VectorScript) |
開発ツール | Visual C++、VectorWorks SDK |
仕様
顧客は住宅メーカー。住宅内の通風シミュレーションについて簡易計算方法を蓄積していた。この計算プログラムをもとに日照・通風シミュレーション機能をシステムに実装し、住宅設計段階で営業所が施主に対してプレゼンする段階で使いたい、という要望だった。ベースCADは従来から利用していたVectorWorksである。
モデリングは、当初のバージョンでは2次元でよい、しかし将来的には3次元、という要望だった。それを受けた当社は最初から3次元でモデリングするようにシステムを設計した。計算のためには、3次元の住宅を直方体で区切って(キューブ切り)いく必要があったが、キューブ切りの結果を確認することなどを考慮すると、最初から3次元の方が好都合だった。キューブが正しく生成されたかどうかを確認するために、VectorWorksの3次元機能を使えると判断したからだ。また、モデルをあとから3次元化する方法に比べて、大きな設計変更要素がなくなり、トータルで関係者の手間が少なく済むと考えた。
しかし問題は、簡単にここの住宅モデルを作成する「モデリング機能」のユーザインタフェースにあった。「営業所が施主の住宅を設計する段階で使う」という状況を想定して、モデリングは1棟を30分~1時間で入力できること、という条件が出されていた。リアルさを追求すれば内部構造は複雑になり、ユーザの操作も複雑になる。シミュレーションはキューブのサイズに丸めて計算するために、ある一定以上にモデルを細かく入力してもシミュレーション結果に影響しない。だからといってあまりに大雑把なモデルでは、たとえば開口部を変更してもシミュレーション結果が同じになってしまい、住宅設計を補助する目的が失われてしまう。
1)内部構造をどの程度にするか
2)入力をできるだけ簡単にするにはどうするか
3)実際のモデルの精度はどの程度か
4)シミュレーション計算の結果が納得できるか
システム設計の段階で、これらを総合的に判断して決定することはできなかった。最初の設計に基づいたモデリング機能は、使ってもらった結果、ほとんど作り直しになった。
受注から6ヶ月後に、何とか最初のバージョンを納品できたときは、正直ほっとした。